ウッドデッキを1から10まで解説!~天然木と人工木の比較から、お掃除方法まで~
今や外構工事の定番となったウッドデッキ、外構プランを立てる際にウッドデッキを候補に挙げる方も多いのではないでしょうか。
今回はウッドデッキの施工を検討している方により知っていただけるよう、ウッドデッキの1から10まで徹底解説します!
目次
2-1.リビングと一体化して空間が広くなる
2-2.重労働な洗濯物干しの負担が減る
2-3.BBQやプール、遊び場として活躍
2-4.タイルデッキに比べてコストが低い&施工日数が少ない
3-1.経年劣化で板が反る
3-2.雨風、紫外線で退色する
3-3.夏場はデッキの表面温度がかなり熱い
4-1.本物の木の風合いを楽しめる
4-2.表面温度が上昇しにくい
4-3.DIY塗装が出来る
4-4.初期コストが低い
5-1.経年劣化で退色する
5-2.反りが生じる
5-3. シロアリ被害が起こる恐れがある
5-4.ささくれが発生する
7-1.天然木に比べコストが高い
7-2.表面温度が熱くなりやすい
7-3.DIY塗装が出来ない
8-1.固まった砂埃や雨シミは水洗い&デッキブラシ
8-2.コケやカビはカビ取り剤(次亜塩素酸系)で落とす
1.ウッドデッキとは
ウッドデッキとは、屋外に設置する木製テラスのことです。天然木で作られているもの、または木材と樹脂を混ぜ合わせた人工木材を使用して作られたウッドデッキがあります。お庭に木目を取り入れることで外観に暖かみが加わります。
2.ウッドデッキのメリット
2-1.リビングと一体化して空間が広くなる
ウッドデッキをリビングの窓に配置するとリビングの床とデッキの床が繋がることで床面積が外へと続き伸びていき空間が広がるのと、視覚効果でさらに広々としたリビングスペースになります。リビングからウッドデッキのアクセスがしやすくなり、お庭に出る機会が増えてお庭ライフをもっと楽しむことが出来ます。
2-2.重労働な洗濯物干しの負担が減る
水気の含んだ家族分の洗濯物を2階のベランダに持って行き干す、というのは家事の中でも重労働と言われています。多くの洗濯物や布団を抱えて足元の見えない状態で階段上るのは転んでしまう危険があります。そこでウッドデッキがお庭にあれば2階まで洗濯物を持って行く負担が減り、家事効率をアップできます。
2-3.BBQやプール、遊び場として活躍
家族のお庭での過ごし方といえば、夏はプールやBBQと様々です。外構に手をつけていないお庭でプールをした場合、土の上で水遊びをすることで地面が泥状態になり足元の悪さと泥汚れが気になります。ですがデッキ上であれば地面もフラットで過ごしやすく、泥汚れの心配はありません。足元も安定しているのでデッキ上でのBBQもできるのですが、合成木材は火に触れると焦げてしまう(耐火では無い)製品もあるので、BBQをする際は防火シートを敷くなど対策が必要です。
2-4.タイルデッキに比べてコストが低い&施工日数が少ない
タイルデッキは下地に使う材料から職人の手で1から作られています。土台が完成した後もタイルを1枚1枚貼り、目地入れやコンクリートが固まるまでの日数を含めると着工から完工までにかなりの時間がかかります。
ウッドデッキは基礎となる束石を置き、その上からは製品のウッドデッキの柱をたてて土台を組んでいくだけなので、タイルデッキと比べると施工日数がかなり違ってきます。そしてタイルデッキとは違って最初からサッシ下にウッドデッキの高さを配置できるので、グレーチングなどの高いオプション費は必要ありません。
3.ウッドデッキのデメリット
3-1.経年劣化で板が反る
木の特性として、周りの湿度に影響され膨張と収縮をします。この膨張と収縮によって起こるのが木の反りです。天然木に反りが起こるのはもちろん、人工木も反ります。「”人工”なのにどうして反るの?」と疑問に思われる方もいますよね。人工木は樹脂と木紛を混ぜ合わせて作られており、人工木にも木が含まれているため、反りが生じます。ウッドデッキの板が反ることによって、デッキ上に水が溜まる原因となるのでメンテナンスが必要です。
3-2.雨風、紫外線で退色する
ウッドデッキは屋外にあるため、年中雨や直射日光の影響を受けることで日焼けや雨シミによる劣化が起こります。紫外線で劣化した樹脂が浮いてしまい、樹脂のカラー部分が粉っぽくなり服や皮膚に付着してしまう事があります。ですが人工木のウッドデッキは極端に色落ちするわけではなく、樹脂のカラーが粉っぽくなるのも徐々に落ち着いてきます。天然木は塗料の劣化が進めばまた塗り直す、といったメンテナンスの負担があります。
3-3.夏場はデッキの表面温度がかなり熱い
真夏の炎天下に晒されているウッドデッキの表面温度は、60度を超える熱さになります。60度は1分間接触すると低温火傷が起こる熱さです。夏のウッドデッキは裸足は以ての外、サンダル越しにも熱さが伝わるほどです。なので夏の間はシェードで日陰をつくったり、ウッドデッキにマットを敷くことで暑さ対策が出来ます。
3-4.デッキ下に雑草&野生動物が棲みつく
ウッドデッキの下は狭く暗く、お手入れが行き届きにくい場所なので雑草が生えても除草が困難です。雑草を放置することで色々な虫が集まってきます。また、狭くて暗い場所を好む野生動物がデッキ下に入り込み、そのまま棲みついてしまったり糞尿をされる恐れがあります。
デッキ下の防草方法は土間コンクリートがオススメです。コンクリートを打つことで雑草を生やさず虫を寄せ付けません。
野生動物の侵入防止は、多段幕板を設置したりメッシュで囲むことで防止できます。
4.天然木の特徴とメリット
主にウッドデッキに使われる天然木の種類は2つあります。
【ソフトウッド】か【ハードウッド】のどちらかです。ソフトウッドは安価で加工しやすいのが特徴ですが、柔らかく虫に食われてボロボロになったり腐朽が早く1~3年と、寿命が短いのです。ハードウッドは耐久性が高く虫の被害も少ないですが、とても硬い木材なので加工がしづらいのが難点です。耐久性と寿命が長いことから、ハードウッドは価格が高いです。
では、ここからは天然木のメリットを紹介していきます。
4-1.本物の木の風合いを楽しむことができる
人工では再現しきれない本物ならではの木の質感、木のぬくもり、香りを感じられます。木の種類によって退色も味となり経過も楽しみのひとつです。
4-2.表面温度が上昇しにくい
天然木は熱伝導が低く蓄熱しにくいので、熱量が少なく裸足でも夏のデッキの上を歩くことができます。「裸足で歩けなくてもサンダルを履けばいいし…」という考えの方もいると思いますが、突発的にお子様がデッキの上に出てしまったり、サンダルを履けないペットのいるご家庭にとっては、デッキの表面温度が熱くなりにくいのは嬉しいポイントです。
4-3.DIY塗装ができる
天然木は経年劣化で退色してしまう欠点がありますが、天然木は手軽に自分で塗装をしても大丈夫な素材なので、経年退色を楽しんだ後に自分の好きなカラーに塗り替えてお庭のイメージチェンジをすることが出来ます。
4-4.初期コストが低い
ソフトウッドはホームセンターでも売られているくらい安価で手に入れやすく、ウッドデッキを少ない材料費で造る事ができます。しかしハードウッドは入手がしづらく、素材も良いものなので価格がとても高いです。
5.天然木のデメリット
5-1.経年劣化で退色する
天然木は経年劣化で必ず変色していきます。陽が良く当たる所など紫外線の影響をもろに受ける場所は特に退色が早いです。木材の種類によって退色した後の色味が違うので、天然木で施工をする際は数年後の変色も含めて素材を選ぶとイメージがしやすくなると思います。
5-2.反りが生じる
先程ウッドデッキのデメリットでも述べたように、木の特性として周りの湿度に影響されて膨張と収縮をします。膨張と収縮の影響により生じるのが木の反りです。人工木と比べ天然木は素材100%木なので、人工木よりも反りが激しいです。
5-3.シロアリ被害が起こる恐れがある
シロアリは暗く湿気が多いジメジメしている所を好みます。腐朽している木や放置された段ボールがシロアリの棲み処になっていて、ウッドデッキや木造住宅内部にまで侵入し、木を食べてしまいます。ウッドデッキはお庭の地面と近い位置に造られるので、シロアリが侵入しやすく被害のリスクがあります。デッキ下をコンクリートにして地面と木材を触れないようにしたり、防虫効果のある保護剤を定期的に塗装するなど、シロアリ対策が大事です。
5-4.ささくれが発生する
天然木にささくれが発生する原因は、ウッドデッキは屋外にあることで太陽光や雨に晒されて劣化が進み、木材が繊維に沿って剥けてしまうことで起こります。ささくれを放置すると刺さってしまったりケガの原因となるので、削って取り除く必要があります。
6.人工木の特徴とメリット
人工木とは木紛と樹脂(ポリエチレン)を混ぜ合わせた合成木材です。木紛が含まれているので木の質感を再現しつつ、プラスチックの強度の高さ、耐久性、加工のしやすさといった、木とプラスチックの良い所を兼ね備えた素材です。
続いて、人工木のメリットを紹介していきます。
6-1.シロアリ被害や腐食がほぼ無い
人工木にも木紛として木が含まれていますが、樹脂と混ぜ合わせて固めて製造しているのでシロアリが寄せつきにくく、湿気などによる腐食がほぼありません。そのため、強い成分の入った防虫剤や防腐剤を塗布する必要が無く、小さなお子様やペットのいるご家庭でも安心してデッキの上で遊ばせられます。
6-2.反りが生じにくい
人工木は5:5の割合で混合されているので、100%木の物と比べると劣化による反りが少ないです。僅かな反りが生じる事があっても、施工時のビス留めで反りを抑えられます。
6-3.ささくれが無い
人工木は表面に凹凸加工をして木目のリアルな質感を再現しています。なので本来ある木の繊維や節が無く、ささくれが浮き出ることが無いのです。カットした断面の後処理が不要で、加工のしやすさもメリットのひとつです。
6-4.カラーバリエーションが豊富
カラーバリエーションが幅広く、薄い色から濃い色まで数多くある種類の中からお庭のイメージに合う色をお選びいただけます。天然木と比べて経年劣化による極端な日焼けや色落ちが起こりませんが、設置当初と比べると色はやや薄くなります。
7.人工木のデメリット
7-1.天然木に比べコストが高い
天然木の種類によるのですが、ソフトウッドなどの天然木と比較すると人工木の方が初期費用が高いです。ですが人工木は防虫・防腐剤を使用しないので、メンテナンス費用を含めてみると、天然木の方がトータルでかかる費用が高くつきます。
7-2.表面温度が熱くなりやすい
人工木に含まれる樹脂には熱を吸収、持続するといった特徴があります。真夏の日当たりが良い場所だと、日中のウッドデッキは60度近くまで温度が高くなります。わかりやすく比較対照すると、真夏のアスファルト(日向)は65度を超える事もあります。特に薄い色の物より濃い色の製品の方が熱くなりやすいです。
7-3.DIY塗装ができない
天然木と違い人工木は色の塗り替えは不向きな製品です。人工木と塗料の定着が悪く、塗ってもすぐに浮いてしまったり人工木の劣化を進めてしまう原因となります。どうしても塗装で色を変えたい場合は、業者への相談をおすすめします。
8.掃除方法
日常のお掃除はホウキでサッと掃いていただければ十分です。頑固な汚れやデッキ表面の傷のお手入れなどを紹介します。
8-1.固まった砂埃や雨シミは水洗い&デッキブラシ
雨が降った翌日はデッキ上に砂埃や雨シミ、泥のついた靴跡の汚れが目立ちます。そのような汚れには水を当てながら、デッキ木目の方向に沿わせてデッキブラシで擦り洗いをします。汚れが固まる前であればこれだけのお掃除で綺麗になりますが、もし固まってしまった後でも中性洗剤を併用すると汚れを落としやすいです。
8-2.コケやカビはカビ取り剤(次亜塩素酸系)で落とす
日当たりの悪い場所ではデッキ上にコケやカビが発生します。コケは水洗いでも落ちる場合がありますが、コケもカビも根こそぎ綺麗にするには次亜塩素酸系のカビ取り剤がおすすめです。
カビやコケの生えた場所にカビ取り剤を塗布し、使用するカビ取り剤の指定時間放置します。経過後は水で洗い流します。カビ取り剤を使用する際の注意点として、カビ取り剤がデッキ上に残ると変色の原因となります。そのため残らないようにしっかりと洗い流しましょう。
8-3.傷、焦げ跡はサンドペーパーで研磨する
BBQや花火の飛び火、たばこの落下による焦げ跡、デッキ表面の傷が増えてきた、など水洗いではどうにも落とせない汚れはサンドペーパーでの研磨で綺麗に落とすことが出来ます。サンドペーパー(40~60番)をハンド研磨機にセットし、焦げ跡や傷がある部分にデッキの木目に沿わせながら研磨します。この時汚れがある部分に重点的に研磨するのではなく、汚れ周辺もぼかすように適度に研磨すると汚れ部分と周りが馴染む仕上がりになります。
8-4.年1~2回は高圧洗浄
定期的なお手入れでデッキ全体を擦り洗いするには、相当な体力を費やします。しかし高圧洗浄機であればお掃除の負担が軽減するのです。(高圧洗浄機とは水を加圧にのせて噴射する機械です)高圧洗浄はコケやカビさえも一瞬で消すほどの威力があります。こまめにお掃除をする時間が無い方などは、年に1~2回ほど高圧洗浄をおすすめします。
ですが、ウッドデッキの素材や劣化の進み具合によっては、高圧洗浄の水圧に耐えられずウッドデッキを傷めてしまう可能性があります。ご使用前にご自宅のウッドデッキは使用可能なのか確認をしてください。
9.まとめ
今回の解説では天然木と人工木、それぞれの良し悪しをおわかりいただけたかと思います。ウッドデッキを取り入れたいけどメンテナンスの負担は減らしたい、という方は樹脂製の人工木ウッドデッキを検討してみてはいかがでしょうか。木特有の変わりゆく風合いを楽しみたい、という方は天然木ウッドデッキで素敵なお庭ライフを過ごしましょう。