エクステリアと外構とは?工事内容を解説
あなたが家を建てるとき、エクステリアや外構といった言葉を耳にすることがあるかと思います。
これらは、どこからどこまでの範囲を指す言葉なのでしょうか。
また、エクステリア工事はどのような施工内容の工事が行われるのでしょうか。
エクステリアとは
エクステリアとは、インテリアの対義語として使われています。
インテリア(屋内)の反対ですので、エクステリア(屋外)ということになります。
主に、駐車場やテラス、門柱やフェンスなどが挙げられますが、それらを総称してエクステリアと呼ばれます。
もちろん、物置やカーポート、さらにはガレージや照明といった設備もエクステリア工事に含まれています。
エクステリア工事の内容
前述で述べた通り、エクステリア工事には屋外のさまざまな箇所から構成されています。
それでは、具体的にどのような工事が考えられるでしょうか。
駐車場工事(アスファルト・コンクリート・タイル等)
まず最初に、お客様から一番ご要望が多い駐車場の工事が挙げられます。
土のままの駐車場では、タイヤが泥で汚れてしまったり雨天時には足元も泥だらけになってしまいます。
そのようなときに、コンクリートやアスファルト等で舗装することにより、大切なお車を泥や埃等を付きにくくしてくれます。
また、隣接道路に敷地内の土砂を流れにすることができます。
これらの理由から、エクステリアでの舗装工事は、とても大切な工事ということが分かるでしょう。
カーポート・ガレージ工事
コンクリート等で駐車場を舗装して、さらに埃や雨、直射日光からお車や乗降時に快適に過ごすために、カーポートやガレージの設置をお勧めします。
カーポートは、ラインナップが豊富で場所やデザイン性、さらには費用面からお選びいただくことができます。
例えば、2台用のカーポートでは4本の柱が立つものが一般的ですが、狭い敷地ですと柱が邪魔になってしまうケースがあります。
そのようなときに、2本のみで支えられるカーポートを設置することで解決します。
デザイン性も様々ですので、内天井を取り付けられる商品や3~4台分もの大きさの迫力あるカーポートなど、あなたのお庭のエクステリアデザインに合わせて選択しましょう。
玄関アプローチ工事
入り口や駐車場から玄関まで続く通路のことを玄関アプローチと呼びます。
コンクリートやインターロッキング材、タイルや枕木などを用いて施工します。
建物や玄関タイルに合わせてコーディネートすると、建物と調和のとれたエクステリア工事を行うことができます。
素材や色味、質感などさまざまなものから選んでデザインしましょう。
フェンス工事
フェンス工事は、大きく4つに分けられます。
1つは、境界明示です。
敷地の境界部に設置することによりあなたの敷地を周りに知らせます。
フェンスの設置により、容易に他人が敷地内に入れなくなります。防犯にもなりますし、犬の糞害からも防ぐことができます。
2つ目は、目隠しです。
プライバシーを保護するために、目線の高さくらいのフェンスを設置することにより、外からの視線を防ぐことができるようになります。
周辺の高さやお庭の高低差などを考慮してプランニングします。
3つ目は、デザイン性を高めるための設置です。
オシャレなデザインのフェンスや植栽を際立たせるためのキャンバスとして設置されます。
各メーカーでさまざまな商品が販売されているので、ウェブサイト等で探してみましょう。
4つ目は、転落防止です。
高所や高低差がある箇所に、転落防止として設置されます。
転落防止柵としての機能を果たす高強度のフェンスを選択して設置するようにしてください。
テラス工事(ウッドデッキやタイルデッキなど)
エクステリア工事でのテラスは、ウッドデッキやタイルデッキ、サンルームなどを指します。
多くは、建物のリビングからお庭につながる動線を確保するために設置されます。
また、物干しスペースにしたりテーブルやイスを置いてカフェスペースにしたり、用途は様々です。
また、テラスに屋根をつけて(テラス屋根やパーゴラ、シェード)、さらに使いやすくすることも可能です。
もちろん、デザイン性の高い商品との組み合わせでお庭の印象がさらに良くなります。
門柱(もんちゅう)
家の顔となる門柱も数多くのパターンがあり、エクステリア工事の中でも各社デザイン性を競うポイントの一つです。
ポストや宅配ボックス、インターフォンや表札などを取り付けたり、意匠性を高めたりするとても大切な工事です。
タイルや石材を貼ったり、塗ったりと多くのデザインを考えることができるため、エクステリアの印象を大きく変えることができます。
機能門柱という商品も各メーカーで取り揃えています。
こちらは、ポストや表札などを取り付けられるセット商品となっています。
すっきりとしたデザインの製品が多いです。
あなたのお庭に合わせてプランニングしてもらいましょう。
門扉(もんぴ)
門扉とは、書いて字のごとく門及び扉のことです。
防犯性を高めるために設置したり、子供やペットが飛び出したりしないように取り付けられます。
商品によって、金額帯が大きく異なりますのでシーンに合わせて選択してみましょう。
植栽工事
シンボルツリーや下草(したくさ)を植えてお庭をさらに彩り豊かにする工事です。
常緑樹を植えて目隠しにしたり、生垣を設置してフェンスの代わりにしたり様々な品種と合わせてお庭造りを楽しめます。
立木が1本植えられているだけで、エクステリアの印象が大きく変わってきます。
芝生や人工芝なども植栽工事となります。
ペットや家族と楽しむためのスペースを緑豊かに作成してみてはいかがでしょうか。
植栽は、手入れが必要ですのでエクステリアプランナーとの入念な打ち合わせが必要不可欠です。
照明
カーポートやアプローチ、植栽などを照らします。
防犯効果や夜間の意匠性を高めるために設置されます。
ライン上の照明器具やタイルに埋め込める物など、多くの種類の製品があります。
タイマー式にすると、スイッチを毎回切り替えなくても勝手に入切してくれるので、大変便利です。
砂利敷き(防草・雑草対策)
建物の周りに費用をなるべく掛けずに雑草対策する工事となります。
防草シートを敷いて、その上に砂利を撒く作業です。
これも、エクステリア会社によって使う防草シートの種類が違ったり、砂利の色や大きさが違ったりします。
例えば、砂利の粒が大きいと歩きにくく雑草が生えずらくなります。一方、粒が小さいと歩きやすく雑草が生えやすくなるため、デメリットとメリットを知った上でお庭計画をするようにしましょう。
エクステリアと外構の言葉の違い
外構とエクステリアという言葉は、大きくとらえて同義語になります。
例えば、デパート等の大規模施設では側溝や照明、土留め壁を作る工事も外構工事と呼ばれています。一昔前では、外構工事では主に塀やコンクリート等を外構工事、左官塗りやタイル貼りを左官工事、植栽や芝生張りなどを造園工事などと区分分けされてきました。
しかしながら、昨今ではお庭を造る業者をエクステリア会社と呼ばれるようになり、お庭全体のプランニングや施工を行うようになりました。
そのため、建物の外部のすべての工事をエクステリアといいます。
エクステリアにはどのようなデザインがあるのか
ここまでで、エクステリアにはどのような工事内容が含まれているかを解説してきました。
では、それらを組み合わせてどのようなスタイルのお庭を作成するのでしょうか。
エクステリアデザインは、1件だけのあなたのために作成されます。
ここでは、簡単ではありますが主なエクステリアのデザインを紹介していきます。
和風
純和風のスタイルです。庭石や植木を多く配置して落ち着いた日本の雰囲気を感じさせてくれます。
天然木材を使用した縁側やお庭の苔があるとさらに趣があります。
造園屋さんのセンスが光る作成が大変難しいエクステリア工事です。
敷地の広さがある程度必要になってきます。
シンプルモダン
昨今では、大変人気のスタイルです。
直訳してしまうと、単純で飾り気が無い、現代的な様子となります。
色を多用せずに、無機質で直線的なデザインに作り込んでいきます。
建物の外観も、シンプルモダンのお宅が大変増えていますので、コーディネートしやすく、大人気となっています。
和モダン
和モダンとは、モダンと和風を合わせたスタイルのエクステリアです。
日本らしい温もりのある植栽や庭石を使いながら、機能性を高めて使いやすいデザインにしていきます。
多くは、上記写真のように木を多く使用している住宅に対して、雰囲気を崩さないように植栽や石を取り入れつつ、機能性を高めるアルミ商品や人工物を設置していきます。
木の家に合わせやすいデザインです。
ナチュラル
ナチュラルスタイルとは、明確な定義はありません。
ただ、お庭造りが盛んであるイギリスのエクステリアに近い物を指すことが多いです。
主な内容としては、石材やレンガ等を使用して植物との調和がとれるような、環境に配慮したデザインです。
植栽を多く配置して、緑豊かなお庭に飛び石やブロックなどを適宜配置していきます。
ガーデニングがお好きな方や建物の外観がレンガやレンガ風の外壁を使用している方から好まれます。
リゾート
リゾートガーデンとは、リゾート地のようにゆっくりとくつろげたり、家族や友人とパーティーを開いたりできるような広いテラスのあるデザインのことです。
お庭にカフェスペースやプールや噴水などの水辺、夜間にはおしゃれな間接照明など、皆様が憧れるスタイルとなっています。
植栽には、シュロやカンノンチクなどのヤシを配置したり、ドラセナやコルディリネなどの葉がおおきい下草も多く使われたりします。
装飾品も石材やアイアンの製品、装飾ブロックなどを利用して高級感いっぱいに仕上げていきます。
北欧風
北欧風のエクステリアは、モノトーンカラーを使用したり、素材その物の色を用いて、シンプルに仕上げるデザインです。
木材やアイアン調のオーナメントは、時間が経って古びてくるとより一層北欧風のお庭に仕上がっていきます。
植栽では、シラカバやブルーベリー、スズランなどを植えることが多いです。
天然木のフェンスやテーブルなどを置いて、リラックス空間を演出してみてはいかがでしょうか。
南欧風
南欧風のエクステリアは、白系の壁や瓦・レンガ、乱形石などで装飾された明るく優しい曲線的なデザインに仕上げます。
門柱や門塀を設置して天端や側面にレンガや瓦、アイアンオーナメントなどで装飾していきます。
階段や塀などは曲線的なデザインを取り入れ、柔らかな印象を演出します。
自然石や植栽を取り入れ、色味の強いものは使用しません。
ポストや表札などのアイテムにもこだわってみると、とてもかわいらしいお庭が出来上がります。
オープンエクステリア
オープンエクステリアとは、門扉やフェンスなどで建物を囲わず誰でも入ることができる開放感のあるデザインのことです。
塀で仕切られていないため、開放感がありすっきりとしたスタイルです。
植栽や床面をタイルやコンクリートにすることで、アプローチや駐車場といったスペースを区分けします。
プライバシーが保護されないため、フェンスや高木をうまく活用して配置すると良いです。
敷地の周りに囲いを作らないため、安価に工事を行うことができます。
クローズドエクステリア
クローズドエクステリアとは、オープンエクステリアとは逆に敷地の周りすべてをフェンスや塀、門扉や生垣などで囲ってあるデザインのことを指します。
防犯やプライバシーの保護を一番に考え、お車もシャッターガレージや伸縮門扉などで囲われるため、他人が入ることはできません。
必ず扉を経由しなくては出入りできないため、小さなお子様やペットがいるご家庭では、好まれるスタイルです。
しかしながら、敷地すべてを囲うため費用が高くなります。
セミクローズドエクステリア
オープンエクステリアとクローズドエクステリアの中間にあたり、建物回りほぼすべてを塀やフェンスで仕切りますが、車の進入路のみを開放的にするデザインです。
プライバシーをできるだけ保護したいけど、利便性を考え車の出入りはスムーズにしたい方にお勧めです。
また、ガレージシャッターやゲートを作ることが無いため、費用はクローズドエクステリアに比べて安価になります。
まとめ
ここまで読み進めたあなたは、エクステリアとはどのような工事を行うか分かったことでしょう。
様々なデザインからあなたの家や街並みに合うスタイルを探して、実際にエクステリア会社にプランニングしてもらいましょう。
それぞれのデザインや製品などに、メリットやデメリットがありますので、しっかりと説明を聞いて満足のいく計画をしてください。
また、あなたのお庭のプランは無限に作成できます。費用面やデザイン性をできるだけあなたの要望に近づけられるようお庭造りを楽しんでくださいあ。
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